【フィクション】1997元旦疾走り
大晦日から年明けの仕事をネズミの国(千葉の舞浜のアレね)
で終え、地元の友達が恒例行事にしていた浅草寺での年越し初詣に合流した。
ただ、そのあと、朝一で同じ場所に仕事で戻らねばならなかった。
舞浜から浅草まで、直接バイクで向かい、すでに参拝を終えた、仲間連中が寺の裏手にある屋台で呑んだくれているだろう。
現地で待っているという約束事だけが頼りだったが、どうせ一晩起きているつもりの私にしてみれば他にやる事も無い訳でバイク移動も寒さも当時の私には苦ではなかった。
その頃は?浅草寺付近に封鎖された道路をかいくぐってバイクで進入する事が出来た。
すでにいい感じで酔っ払っている連中の中にも下戸(酒が呑めない)奴もいて、「どっかで初日(初日の出)見に行きたいな。」と言い出した。
地元に戻ってテキトーに初日の出見て解散でもいいだろ?
って事にならないのが若さと言うか、馬鹿さ言うか…。
終いには「海だ!海で初日だろっ!」と言い出した。
もちろん、地元葛飾区に海など無い。
手頃なところで東京湾という話になるのはいいのだが、
私は私で舞浜に朝一の仕事で戻らねばならない。
私は帰ると言ったが、「ノリが悪いなぁ」と言われ、あげく
「じゃ、行徳港なら舞浜からも近くていいんじゃね?あっこなら車も停め放題だしよ。」
ということで皆は車に便乗、私だけバイクで行徳に向かう事に。
ダウンコートにダボダボのパンツズボン、ヘルメットにもグローブにも全くセンスを感じない当時の私はひたすら車の前後に張り付いて元旦の夜明け前を海を目指して走っている。
皆、暖かい車の窓越しに寒そうに走っている中、こちらを面白がって見ている。
その時の一枚の写真がこれだ。
初日の出はと言うと、埠頭に着く頃には日がすでに顔を出していて、ヤンチャな集団があちこち集まって来ていたこともあり、
トラブルごとなる前にとっとと退散するハメに…。
結果的に湾岸から舞浜に早く着いて良かった。
今では元旦にゼッツーで湾岸駆け抜けたぜ!って言うのが
語り草になっている。
ま、「だからどうした?」って若さか馬鹿さかの
話でしかない。
0コメント