カツゼツと芸事……
先日、体験稽古(ワークショップ)の最終日。
普段の稽古ではほとんどやらない滑舌の知識的な稽古をしました。
ひらがな五十音順を使っての簡単なものから、劇団独自に作った、昔からある難しい言い回しのテキスト。
そして、演劇では定番中の定番「外郎売(ういろううり)」です。
知らない方の為に簡単に説明すると(….と言っても私自身もそこまで詳しく無い)古典歌舞伎の演目で、昔の薬売りがバナナの叩き売りの調子で口上を述べて早口言葉を自慢するって内容です。(簡単すぎるか⁉︎)
古典のお話だけあって聞いたことのない言い回しや文章が並んでいることからまずは読み方から皆でゆっくり説明してやってみました。
私は常々、この外郎売をせめて覚えて言えるだけでも役者にとって必要な「芸事」となると推奨しています。
我々のような小さな劇団で活動する役者にとっては
役者としての活動履歴や、音楽家や落語家さんと違い、いざ他人に「役者としてなにか見せてみて」と言われても何もできない事が多い。
小さなバンドの楽器弾きなら音を奏でるだけで人に「おーっ」と言わせる事はできても、社会人劇団の役者ではなかなかそうは行かない。
意味などわからなくても、7分近いセリフを一言一句間違えず早口言葉を使い披露できるこの「外郎売」はただ単に滑舌の練習だけにあらず、自らの「持ち芸」とまでしてくれるこの外郎売は永く演劇を続けていく上では身につけておいて損は無いかと思います。
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