外郎売りを知らなくても……

昨日のワークショップでは…

以前のワークショップで常駐メンバーに渡していたテキストの「外郎売り」を各自に読んでもらいました。


外郎売りとは?簡単に言うと古典歌舞伎の「薬売りの口上」と言う名の長ゼリフです。

学生演劇などをやっていた人なら知って居る方も多いかと思います。
長いセリフを覚えるというだけでは無く、滑舌の練習にもなる一石二鳥にも三鳥にもなるセリフテキストです。

さて、実際読んでもらった訳ですが、

「え?セリフ覚えて演じるんじゃないの?」 

と、普通は思うと思うのですが、そんな簡単な物ではありません。

あくまで「演劇未経験歓迎!」を掲げて活動している傍ら、私が見たいのはお芝居の上手い下手よりも、演劇活動に対する「取り組み方」だったりします。

学生時代などに覚えさせられた人や知っている人ならばわかると思いますが、
全く演劇をやった事の無い大人がコレを渡され
「覚えて来い、喋れるようになれ。」と言われてもそんな簡単に覚えられる長さでも、そして聴き慣れない古い言い回しや単語を身に付ける事のハードルの高さたるは、簡単に演劇を始めたいと思い飛び込んできた人の「挫折」になりかねない訳です。

コレまた「ええ?それくらいで挫折するくらいなら
…」とガッカリされる人も居るかも知れません。

が、今回はその辺は目をつぶって読んで頂けれ
ば幸いです。


私が考えるに、この外郎売りという稽古には
いくつかの要素がワークショップに詰まって
いまして、それをいくつかここに記して
おこうかと思います。

これはあくまでテキストを「読んで来い」
ではなく「読んで欲しい、出来る事なら
覚えて欲しい」という願いのもとにと前置き
した上で。

1、日常で滅多にすることのない不慣れな事に
対してどれだけ興味を持って取り組む事が
出来るか?

2、「芸事」として劇団活動で舞台役者に
対して目に見えるわかりやすい(一般の人
に向け)芸を与える事が出来ない事から
身に付けて欲しい数少ないと言う事。


舞台公演だって台本があり、稽古があり
役者の努力がありという積み重ねの中で
聞いた事も無い単語や長いセリフを
人前で緊張する中大きな声で披露する事。

全てにおいて大事な事と考えています。

ただ、最初の方にも書いた通り、未経験かつ
外郎売りを知らない人には少し高いハードル
としながらば、せめて忙しい仕事や
プライベートの合間を縫ってどれだけ
「やって欲しい」と願ったテキストを手に
して読んだか?

まずそれを診る(試す)訳です。

テキストを渡して1ヶ月、その結果は過去の
事例から見てもわかりやすくでます。

テキスト(文章)を見ながらでも簡単に
初見で「即読」出来る物では無いのですから。
(初見で即読出来たらそれはそれで凄いの
だけど…それは稀な事です)


与えられた時間内で一度も噛まず言い間違
えず上手く読めなかったとしても、

人前で緊張する中、大きな声で最後まで
読み切る事が出来れば、家に持ち帰って
読んで来てくれたかどうかなどすぐに解る
ものです。



おかげさまで、過去の事例は…という
ネガティブな前置きは抜きにして、この日
外郎売りを読んだメンバー全員、
つたない処も処処ありましたが、皆、各自で
稽古場以外で「努力」したんだなぁという
事が1人も欠ける事なく見られた事に

「皆、真面目で良い子(成人を過ぎた連中
にはちょっと失礼かな?)だなぁ。」

と、ほくそ笑んでおります。(笑)

劇団TESTS(テスト)東京東部演劇組織

「劇団TESTS(テスト)」です。 東京東部演劇組織 Tokyo East Side Theatrical Syndicate トウキョウ イーストサイド シアトリカル シンジケートの略称として「テスト」という名称で立ち上げました、社会人演劇集団です。 現在メンバー少数のため合同で活動しながらメンバー集めしています! 20221月に旗揚げ公演を無事やり遂げました! (≧∀≦)

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