【エッセイ】珈琲と雨
9月も下旬に差し掛かって、薄曇りからパラパラと雨が降ったり止んだり…気温が下がり始める季節の変わり目。
辞世が時世で、あまり人に接する事を控えて生活している事もあり、家にこもって脚本の編集をしていたが、ついには外の空気が吸いたくなりガレージに降りてきた。
カフェスペースでコーヒーでも淹れて飲もうにも、豆が古くて飲む気にならず、これも一つの口実だと、バイクで15分もあれば着く豆屋(珈琲店)に行く事に。
路面は濡れていても雨は降っていない。かと言ってこれで止んでもう降らないとも空を見上げる限り思えない。
それでも私の心は疾走りだす。
狭い土手沿いを右へ左へ、コロナの影響もあって、久しぶりに来店した珈琲店は賑やかなものだった。
平日の昼間に駅前とは言え、あまり客がいないイメージのある店で個人的に気に入っている。目の前にバイクを停め、眺めながらコーヒーが飲めるのも良い。
時間はあったので、豆を購入しつつ、アイスコーヒーを一杯。カウンターに座るも、常連の客が狭い店で喋りっぱなしだ。
話に入りたいというほど会話も面白くなかったのと、顔なじみの店員もその客の話に捕まったままだった事もありものの5分で店を出た。
その頃からか雨がパラパラと降り出す。
ちょうど良いタイミングだったかも知れない。
大した雨にやられる事なくガレージに着く。
早速コーヒーを淹れてゆっくりしようかと思いきや、あれこれホコリをかぶっていて、洗い物やら掃除やらをしないとなんだか気持ち悪い。
コーヒー豆はコロンビア産。苦すぎず、酸味も薄い、買ったばかりの豆は湯を淹れ蒸らす時フワッと膨らむのだ、この時の香りがまたたまらず良い。
コーヒーを飲みながら、週末の稽古をどうするか?
そんな事を考え外を見ると雨が強くなってきた。
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