劇団としての居場所
もう何年になるか、昔ながらの劇団ならば、自団で稽古場を持っていたり、事務局があったりと「会社」みたいな所がおおかった気がします。
ビルのワンフロアを年間で借り切って稽古場件、劇団員たちが寝泊まりする場所。
そこには「運営」という責任や義務も発生する。
ま、簡単に言えば「お家賃」ってやつですね。
年間でワンフロア(小さな部屋でも)を賃貸契約すれば経費は発生する。それを団員たちで集めて続けていかねばなりません。
稽古場、事務局、資材置き場(倉庫)、運搬用の車(トラック)……稽古をしながら公演をし、その上食べて行こうという劇団の大変さは売れるか分からない何処にでもあるチープな掃除機を製造、販売をしているくらい不安定なものだ。
売れない掃除機(あくまで比喩ね)を売る為に別のバイトをしながら出資し、造り、販売を繰り返す。
そして、世間では売れなくてもそれを売れると信じて走り続けるしかない……
責任と義務感。これはこれで大変だが、劇団内では重要な事だったりする。
劇団が潰れると言うことは「倒産」するのと同じだからだ。
そんなリスクを取らない劇団、公演が小さな規模の劇団では増えた気がします。
劇団員同士が夜通し稽古出来、寝泊まり出来る稽古場を持たない。
書類や台本、制作業務を請け負う事務所(部屋)を持たない。(大抵、個人の部屋なんだけどね)
木材や装置を保管する倉庫を必要とする舞台を作らない簡素な舞台公演。
トラックを必要としないからには衣装にせよ、小道具にせよ、特に音響や照明の機材に容量がかけられない公演が増える。
…もちろん、道具を使わなくとも、舞台セットや装置、音響、照明などの無くとも、良い芝居だけをお客様に提供していれば「繁盛」する事だってあるかもしれない。
が、それだけの劇団となると小さな規模でも年間何本も公演をうっていかなければ、収入は皆無な訳です。
現在は、小さくも社会人劇団がたくさん増えました。
地域の地区センターは貴重な稽古場となります。
事務局は個人の部屋で。
道具やトラックは借りる、最低限の資材は家の駐車場で。
それでも出来るお芝居を作るのが楽しいと活動している事が果たして良いのか?悪いのか?
能書きはさておきまずは稽古場に来てから考えましょうよっ。
人が居なければ何も始まりませんよ。
昔、「これから劇団始めたいの」って者に話た話しです。
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