演劇人あるある。
高い芝居のチケットを売りつけてくる者がいる。
己が出演する舞台だから観に来てくれと。
基本、私個人、そして劇団に関わりの無い者でこの手の売り込みは一切無視だ。では関わりの有った者だったらどうなのか？
という話。
ウチの劇団で知った顔なのだから応援はしてやりたいと思うのは皆一緒だろう。
が、出演する舞台自体がどう言うものかどんな
団体かもわからずに高い金を払って見にいくのは
嫌だと言うこと。
全く知らないメイン数名（顔写真あり）の演者とは別に合わせて20以上のアンサンブルに混じって出演する者のチラシを見るだけで「うーむ…」と思ってしまう。
演者として己の知り合いに一人でも多く見にきてほしいなのならまずは招待券をばらまきなさいよ。と思ってしまう。
もちろん、そんな事ができるシステムでアンサンブルとして参加を許されているとは思わないけど。
高いチケット代をメイン級の役者たちや知らない劇団の為に払うのは御免だ。
まずはどんな小さな役でも舞台に立っている自分を見てください！という気持ちがあってお客さんを呼べる舞台か？ましてやこのコロナ禍で強行して行う興行公演で、若く右も左もわからない演者達を巻き込んで高いチケットを売りつけて来いは無いかなと。
経験が無い役者の側も仕方ないのかもしれないが、そこそこ整った華やかな舞台に立てるならばアンサンブルでもいいから先ず環境の良い所に欲深く出演するという考えはいいが、ほんのチョイ役だけで高価なチケット代をお友達や知り合いに売りつけても正直喜ばれることは少ない。
なぜかといえば、未経験の役者のお客様は芝居に理解の無い人（お友達）が多く、チケットを売り付けた本人を見る為だけに劇場まで足を運ぶ人がほどんどだ。
「なんだ、せっかく高価なチケット買って見に来たのにお前全然出てなかったじゃん。」
こう思われてしまう事は決して過言ではない。
結果、全然客が呼べない、又は仮にその時は客が代金を払って見に来てくれたとしても、その後は確実に足が遠のく事は長年商業演劇で未経験者を相手に集客を募って来た経験上、言い過ぎでは無い。
主演級、又はメインのキャスト扱いで出ているとその気持ちも違ってくるが…。
経験値が低いが故のチョイ役、高いチケットをばら撒く羽目となり、さらにノルマを化させると経済的に困窮し、集客が集められなければその意味すらも失う。
この負のスパイラルが簡単に若い人の演劇生命を
奪ってしまう事も確かだ。
ここで簡単完結な割り切り方は…
「ウチの劇団員（だった訳）じゃないしね。」
劇団を通り過ぎていく輩はものすごい数居る。
この手の心配を全部してたら、たまらないもんね。
まぁ、まず舞台に立ちたいと思うなら少しでも
安く、少しでもいい役がもらえる環境の劇団で
呼ぶお客様（お友達）を喜ばせられる舞台を
観せる事が大切な事と改めて思います。
もちろん、安かろうが、仲良く和気藹々とやろうが
良い芝居を作らなければダメなんだとも…。
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